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ふうかとほうかの日常を、それぞれにつらつらと書いてます。
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2009/02/10 (Tue)
ひのゆじ。せつない。









「なぁ、アンタの時代の結納ってどうすんの?」
「婚約届けに名前書いて判押しておしまい」
「はあ?」
「式は…多分ここと同じように白無垢を着る神前式と、ドレスを着る教会式かな…2種類ある」
「どれす?」
「ああ。説明面倒だから後で紙とペンあるときな」
「あ、そ。アンタ似合う?」
「俺よりお前が似合うよ。てかヒノエタキシード似合わなそうだな」
「よくわかんないけど、あ、そ?」
「俺がわかってるからいいんだよ」
「譲と結婚してー」
「馬鹿」


襖の裏での頭達の会話を聞き、烏が視線を落とす。
自分達は…自分はヒノエに育てられた。
ヒノエに仕えるために、がむしゃらに強くなった。

それでも、ヒノエの幸せを選択出来ない自分の腑甲斐なさに涙すらでてくる。


襖を開いて笑顔で言わなければならない。

本来めでたいことなのだから。
今日は、晴れの日だ。
大丈夫、奥方は増えても、譲が屋敷をおわれるわけではない。





さあ言わないと。
幕引きを。





「頭…お時間です」


二人は笑った。
めでたい日に何を泣いているのかと。


「だって…だって頭…!」


いうべきではない。
だってお二人はこんなに幸せそうに笑っているじゃないか。


「………お相手の方が…あちらでお待ちです…」




おめでとうございますと、笑顔で言えただろうか。






この日一羽の烏が翼を折られ、海に落ちた。












――――――

これも一つの物語。
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